誕生日用にホールケーキを買った。
すごく大変なミッションだった。
わし「このケーキください」
店員「うにゃあららららら」小さくて早口でマスクもしているのでききとれない
わし「え?」
店員「プレートはどどうされますか?」
わし「プレート?」
店員「ハッピーバースデーとか書けるんです」
わし「あ、ああ、つけてください」
店員「メッセージはどうされますか?」
わし「Happy Birthdayで」
店員「お名前などはよろしいですか?」
わし「太郎(仮名)でお願いします」
店員「ローマ字ですか、カタカナですか、ひらがなにしますか?」
わし「じゃあメッセージもぜんぶアルファベットで、ローマ字で」
……しばらく待つ
店員「ろうそくはどうされますか?」
わし「ええ、とじゃあ、3本で」
店員「大きいのと小さいのがありますが?」
わし「小さいのを3本で」
……しばし待つ
店員「お持ち帰りのお時間は?」
わし「30分くらいで」
……もうひとつ買った別のものがあって
店員「紙袋はおわけしますか?」
わし「いっしょでいいです」
ホールケーキなので、いろいろ付属物があって、たぶん箱もちがう。
だから、お値段がちょっとするのだ。それはかまわない。
カスタムが多い、それもとてもいいと思う。
丁寧でこまかいところまで親切。
しかし。
自分がわりと以前から耳が悪くて、四十路ともなると、ますます高い早い声は聞き取りにくくなっていて、頭の回転もそんなにいいわけではなく。さくさく仕事をする若いお姉さんたちは、大変すばらしいと思うけど、接客された結果としてはすごくつかれてしまった。まあ、いちどやればわかるから、次回からは平気かもしれないけど、次買うときはめちゃくちゃかまえるかもしれない。ごくたまにしか買わないなら、こんなことも全部忘れちゃうかもしれない。
あるいは、もっと耳が遠い、ゆっくりな人だと、すごく大変だろうなと思った。ナントカ障害とかよくわからないけど、そういうショウガイとかいう以前に、もうちょっと人のテンポはいろいろあるんだよ。
そもそも、
カスタムできる項目は見せとてくれよ
と思った。大きな読みやすい文字で箇条書き、あるいはイラストが便利かもしれない。
- プレート(ケーキの上にのせられる小さいメッセージカードのようなもの、という説明つき)
- プレートに書く文言
- 文字の書き方、英語、ローマ字、ひらがな、かたかな
- ろうそくの本数
- 持ち歩きの時間
一枚ビニールコーティングでもした紙を用意して、ホールケーキを買ったお客さんに、最初に見せればいい。それで、各項目について、相手が質問をのんでいるかどうか確認しつつ、質問すればいい。早口できくと、忙しいからくせになっているのだろうけど、それ結局二度手間になるから。列挙した上で、一つずつかためていくのだよ。
世の中には、こういう話が多すぎる。
全体でこれから何をするか、概要や段取りを確認せずに、だらだらと会議をはじめるとか、全体のイメージを説明せずに手順を逐一説明するとか。
それで丁寧にやってるのにわからねえやつがいるとか、文句をいうひとがいる。
部下が、アルバイトが、いつまでも仕事をおぼえない、とか、なんども同じ説明をしていて腹がたつ、とむかついてる人は、まずは全体の説明をしているかどうか、確認しましょう。
している上で、聞く方の態度が、覚えられないのにメモもとらないとか(いや、書かなくても覚えられるんでとかぬかすやつ)、そういうのが3度続けば、その相性の悪さは誰のせいでもどうにもならないと認識して、可能ならば配置換えを。
ケーキやさんについては、無能とまではいわないけど、「細やかな有料サービス」が「機械的で迅速を試みるあまり二度手間がふえる項目確認作業」になってしまっていて、まあちょっと残念。
だがケーキはうまいので。